メタリカは日本が嫌い?来日を待つ声と、日本で残したエピソードをたどる

メタリカは日本が嫌い?来日を待つ声と、日本で残したエピソードをたどる 音楽

この記事にはアフィリエイト広告を含みます。公演記録・販売ページの確認日:2026年10月24日。

アイキャッチ:2024年7月7日ワルシャワ公演。撮影:Iron.secrets/Wikimedia Commons(CC0 1.0)。

海外の巨大なスタジアムで演奏するメタリカの映像を見るたびに、「今度こそ日本にも来てくれないだろうか」と思う。ところが、次のツアーが発表されても日本の名前がない。待つ時間が長くなると、楽しみだったはずの気持ちに、少し寂しさが混じってきます。

「メタリカは日本が嫌いなの?」という疑問も、そんな空白と切り離せないでしょう。ただ、日本との関わりをたどると、日程表だけでは見えてこない場面があります。アルバムを丸ごと演奏した夏の夜、日本の取材者に見せた意外な表情、そして来日を待つファンの声です。

この記事では、出典のあるファンの反応と具体的な出来事を順にたどり、後半で来日の空白をどう受け止めるか考えます。まずは、待つ側の声から見ていきましょう。

「もっと日本に来てもよさそうなのに」――ファンが感じる距離

この疑問を持っているのは、日本の検索ユーザーだけではありません。海外掲示板Redditにも「Metallica in Japan」という投稿があります。投稿者は2013年の日本公演に触れ、今後の予定を気にしながら、日本との結びつきをもっと感じられると思っていた、という趣旨の感想を書いています。

これは一人のファンの反応です。バンドの内情を知る証言ではありません。それでも、来日を期待している側には、公演の空白が単なるスケジュール以上の意味を持つことが伝わります。

この声から見えてくる疑問

以前は日本で演奏していた。海外では活動している。それなのに、どうして日本公演は長く実現していないのだろう?

ここで気をつけたいのは、「来てほしい」という気持ちと、「日本が嫌いだから来ない」という説明の間には、まだ距離があることです。上の投稿も、日本嫌いを裏付ける情報ではありません。噂が本当かを知るには、メンバーの言葉や実際に起きた出来事へ、もう一歩近づく必要があります。

日本で何をしてきたのか――公演記録に残る印象的な夜

最後の来日だけを見ると長い空白が目立ちますが、過去をさかのぼると日本での足跡は一つや二つではありません。まず主な公演を並べると、その長さが分かります。

  1. 198611月15日、初の東京公演
    公式の2013年東京公演解説に記載
  2. 200311月、日本各地で公演
    東京・札幌・さいたま・大阪・名古屋
  3. 20068月、サマーソニック出演
    千葉と大阪の会場で演奏
  4. 20109月25・26日、さいたまスーパーアリーナ
    この年の日本公演はサマーソニックではありません
  5. 20138月10・11日、サマーソニック出演
    QVCマリンフィールド/大阪・舞洲

出典:Metallica公式・日本公演一覧、2013年東京公演の記録、2010年さいたま公演の記録。年表は主な公演の抜粋です。

2013年の開催日は、サマーソニック公式の開催記録でも確認できます。2026年10月24日時点で確認した公式の日本公演一覧では、直近は2013年8月11日の大阪公演でした。

2006年のサマソニでは『Master of Puppets』を全曲演奏

2006年8月12日、千葉マリンスタジアム。公式セットリストでは、「Battery」から「Damage, Inc.」まで、『Master of Puppets』の8曲がアルバムの曲順で続いています。代表曲を数曲拾うだけでなく、作品を一枚通して聴かせる構成でした。公式ライブ音源の案内も全曲演奏を明記しています。

2006年・アルバム全曲演奏の流れ

Battery → Master of Puppets → The Thing That Should Not Be → Welcome Home (Sanitarium)
→ Disposable Heroes → Leper Messiah → Orion → Damage, Inc.

さらにこの日には、当時「The Other New Song」と呼ばれていた新曲の初演もありました。公式記録には「Disposable Heroes」「Orion」などが日本で初めて演奏されたことも記されています。日本公演を思い出すファンにとって、単なるツアーの通過点として片づけにくい一夜だったでしょう。

2013年の曲目は、激しい曲だけではなかった

2013年8月10日の公式記録には、「Master of Puppets」「Orion」とともに、「Nothing Else Matters」「Enter Sandman」も並びます。重いリフ、歌をじっくり聴かせる曲、歌のないインスト曲が、一つの公演に収まっていたわけです。

こうした曲目を見ると、当時の演奏を知っている人と、名前だけを知っている人では、「メタリカ」という言葉から浮かぶものがかなり違いそうです。過去の公演ページには映像や写真もあります。噂を追いかける途中で、一度実際の演奏に戻ってみると、別の角度からバンドを見られます。

楽屋ではどんな人たち?日本の取材者が語った再会

ステージ上の迫力と、向き合って話したときの印象は同じなのでしょうか。音楽ジャーナリストの増田勇一さんが、2021年のRolling Stone Japanの記事で、2013年サマーソニック大阪の取材を振り返っています。

増田さんによると、ジェイムズは以前の取材を覚えており、再会に親しみのある反応を見せたそうです。一方ラーズは、最初は険しい表情で近づいてきたものの、目の前で笑顔に変わったといいます。話しかける直前の表情だけなら、受け取る印象はまるで違ったかもしれません。

出典:Rolling Stone Japan「ヘヴィメタル/ハードロック伝説」(2021年10月23日、ライブドアニュース配信)。取材者による回想を要約しています。

この一件だけで、メンバー全員の性格や日本への気持ちを言い切ることはできません。それでも、「近寄りがたい大物」というイメージに、ちょっとしたいたずら心や、久しぶりの相手を迎える表情が加わります。人物の面白さは、こうした一場面にもあるのではないでしょうか。

厳しい評判には何があった?Napster騒動を本人の説明から読む

では、メタリカへの否定的な印象は、すべて根拠のないものなのでしょうか。日本の話とは別に、ファンとの距離が議論された出来事があります。2000年の音楽ファイル共有サービス、Napsterをめぐる争いです。

当時のSlashdotの読者質問募集には、バンドの対応に失望したという趣旨の投稿が残っています。好きな音楽を広める行為だと受け止める人と、作品を無断で配布される側では、見ている問題が違っていました。コメント欄はファン全体を代表する調査ではありませんが、反発があったことを読める資料です。

一方、ラーズ本人は2000年のMacworldのインタビューで、制作途中だった『ミッション:インポッシブル2』用の曲が流出した経緯を説明しています。本人の説明の軸は、インターネットそのものへの反対ではなく、作品をどう公開するかを誰が決めるのか、という点でした。

反発する側の声

好きなバンドの対応に失望した、という読者の反応。

ラーズが説明した問題

完成前の音源が流出し、作品の公開を自分たちで管理できないこと。

同じ出来事でも、受け手からは距離を感じる対応に見え、本人からは作品を守る行動だった。こうして両方を読むと、「性格が悪い」という一言よりも、何を巡って意見がぶつかったのかが見えてきます。この争いをそのまま「日本のファンが嫌い」という話へ結びつける根拠はありません。

来日の壁は気持ちだけなのか――予算と動員という現実

日本公演が実現しない理由については、音楽メディアにも具体的な言及があります。YOUNG GUITARの2023年9月12日付レポートは、M72ツアーの映画館上映に際した伊藤政則さんのトークを紹介。再来日に向けて、予算や動員などの課題があるという趣旨の話を伝えています。

同じ記事は、日本の映画館でも演奏に歓声が上がった様子を記しています。「来日がない」と「日本で待っている人がいない」は、やはり同じことではないのでしょう。

出典:YOUNG GUITAR「メタリカ“M72”中継上映:世界中が見守ったスペクタクル・ショウ!」。2023年当時の報道であり、現在の招聘交渉や費用を示すものではありません。

この報道は、「好きか嫌いか」だけでは捉えられない開催条件があると考える手がかりになります。ただし、費用の内訳や契約条件、日本公演を見送った意思決定まで公開されているわけではありません。「ギャラが高いから来ない」と一つに絞るのも、現時点では説明を飛ばしすぎです。

なお、記事中には当時の将来の来日への期待も出てきます。過去の期待や予想を、今の開催予定として読むことはできません。次の公演については、バンドの公式ツアー日程と国内主催者の発表で、開催年・会場まで確かめたいところです。

ここまでを振り返ると、「日本嫌い」という説明は成り立つのか

来日を待つファンの声、全曲演奏を含む日本公演、取材現場での交流、Napsterをめぐる対立、そして予算や動員の話。それぞれを並べてみると、ひとつの噂では収まりきらない姿が見えてきます。

確かめられたことと、そこからは言えないこと
資料に残ることそれだけでは言えないこと
2013年以降、日本公演の長い空白がある日本や日本人を嫌っているという本人の気持ち
日本での全曲演奏や取材交流があった今後の来日が必ず実現するという約束
Napster騒動で反発があったその反発が日本公演の空白の原因だという因果関係
予算・動員面の課題が報じられた現在の交渉内容や、来日しない唯一の理由

今回確認した資料からは、来日しない理由を「メタリカが日本を嫌っているから」と結論づけることはできません。公演の空白は事実ですが、その空白を埋める説明として、本人が語っていない気持ちを当てはめるのは無理があります。

かといって、心配して検索するファンの気持ちまで否定する必要はありません。期待するからこそ、来ない理由を知りたくなるものです。噂を入口にしながら、その先にある演奏や人柄、興行の事情まで見ていくと、単純な好き嫌いよりも面白い話が残ります。

日本公演の曲から聴くなら、この2枚

噂を調べてメタリカが気になったら、次は曲そのものに触れてみてください。2013年の東京公演では「Enter Sandman」「Nothing Else Matters」「Master of Puppets」「Orion」などが演奏されています。ここでは、それらの曲を収録する2作品を選びました。

曲から選ぶ、最初の1枚

歌やメロディーを入り口にしたい → 『メタリカ』
長い曲の展開やリフをじっくり聴きたい → 『メタル・マスター』

これは聴き始める際の編集上の提案です。購入前に公式公演ページの映像や曲目、普段使っている音楽配信サービスなどで、好みに合う曲を確かめる方法もあります。

メタリカ(ブラック・アルバム)

1991年の作品/国内盤1CD・SHM-CD
UICY-16006

「Enter Sandman」「Nothing Else Matters」を収録。印象に残る歌やフレーズから聴き始めたい方への入り口に。

参考価格 2,296円(税込・送料無料)
楽天ブックス/2026年10月24日確認

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メタル・マスター

1986年の作品/国内盤1CD・SHM-CD
UICR-1139

「Master of Puppets」「Orion」を収録。曲の中で変わっていく展開や、楽器の掛け合いを楽しみたい方に。

参考価格 2,215円(税込・送料無料)
楽天ブックス/2026年10月24日確認

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表示価格は楽天ブックスの国内盤1CDの参考価格です。他店の価格・送料・在庫は異なります。購入前に品番、CD/レコードの別、枚数、新品/中古を確認してください。ジャケット写真のリンク先は楽天市場です。

通常盤とデラックス盤、最初はどちらがよい?

アルバム本編を聴くことが目的なら、まずは上記の1枚組CDで十分です。同じ作品名でも、ライブ音源や映像などを加えた複数枚組、レコード、輸入盤が販売されています。ジャケットが似ていても内容や再生に必要な機器が違うため、値段だけで選ばないようにしましょう。

買い間違いを防ぐ確認項目
確認するもの今回紹介しているもの
メディアCD。レコードではありません
枚数アルバム本編の1枚組
品番『メタリカ』UICY-16006
『メタル・マスター』UICR-1139

作品・収録内容の確認:ユニバーサル ミュージック公式ディスコグラフィー、『メタリカ』リマスター盤。

次の日本公演を待つあいだに

2006年の全曲演奏を知ってから『メタル・マスター』を聴くと、曲順にも日本公演とのつながりが生まれます。2013年の曲目を見てから『メタリカ』を聴けば、「Enter Sandman」や「Nothing Else Matters」が、来日を待つ人の記憶に残る理由を想像する入り口になるでしょう。

次の発表を待つ時間は、長く感じるかもしれません。それでも、残された公演記録や取材の言葉をたどれば、「日本が嫌いなのか」という最初の問いから、もう少し広いメタリカの姿へ近づけます。次に日本の名前がツアー日程に並ぶ日には、どの曲を聴きたいでしょうか。

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